トップインタビュー マネーパートナーズ

FX業界大手にして隠れた老舗。まさに金融のパートナー

FX業界と規制について

金融庁から特に今年になって様々な規制がかかっていますが(レバレッジ規制等)、このような規制の流れをどのようにお考えですか?

先般、府令による信託保全、ロスカットの義務化、レバレッジ規制、また監督指針によるスリッページや、スプレッド表示に関してですが、これらの規制は投資家保護の観点から見るととても良いことだと思います。もちろん実行するためにシステム対応しなければいけない部分もあり、各社対応が大変な部分もあると思いますが、極めて健全で歓迎されるべきことではないでしょうか。業界発展のためにも良いことだと思います。

投資家保護のためになるということですね。

そうですね。と言いますのは、例えばレバレッジの話ですが、昨年、南アフリカランドが16円台から5円台まで突入しました。すごい下げ方ですよね。実質65%ほど円高になっている状況です。これを「不足があってはならない」ということにさせると実はレバレッジを2倍まで落としても不足が出てしまいます。単にレバレッジを下げればよいかというと、そうではない訳です。

一連の規制の中でレバレッジは最大25倍までということが謳われておりますが、実は新興国通貨に関しては流動性が低くボラティリティーが高いので、現時点で業者さんは25倍くらいの水準にはしているのです。なので、それと同じくして一律に主要通貨も25倍というのは少し話が違う気がします。いわゆるマイナー通貨にとってはすでに業者さんもユーザーの方もレバレッジ25倍くらいの水準に対してはそんなにおかしいとは思っていないのです。今回の規制では通貨種別も問わずに「一律25倍規制」という話ですので、結果、皆が利用している主要通貨だけ変更になるような形になってしまいます。

これでは主要通貨はやめてマイナー通貨をやりなさいということになりかねない。それっておかしいということですよね。ですから基本的にはレバレッジの引き下げは投資家保護の観点から決して悪いことではないと思っていますが、レバレッジは本来、ボラティリティーに応じた形で適切な水準が設定されるべきではないかと思うのです。

それに、例えば日経225平均の証拠金算出方法であるSPANを使ってドル円の証拠金を算出、レバレッジを計算すると現在(2009年07月)ですと約40倍~60数倍になります 。この度の規制に係るFXのレバレッジ25倍という数字は、維持証拠金のことを指します。つまり最初の必要証拠金となると、もう少し低くなってしまうんですね。さらに内閣府令ということでございますから、ほぼ恒久的に設定されるものです。これは少し行き過ぎている感はありますよね。

なるほど、納得です。続いてスリッページについて質問させていただきます。御社は元々スリッページが少ないという評判を聞いております。この度の一連の規制の中でも取り上げられていますが、その辺りはどのようにお考えでしょうか。

はい基本的には提示させていただいている価格で約定させるのはお客様に対しての約束だと思っています。提示する価格というものは約定する値段であり、気配値や参考価格ではない。これは当然のことだと思っています。

確かに御社で取引をしているお客様の声には「マネーパートナーズさんはスリッページが無い」と仰います。

嬉しいですね。実際にインターバンク(銀行間取引)でもドル円でいえばスプレッド1銭程度でしか売買価格を出していない状況です。0.5銭や0銭で提供されている業者さんがいらっしゃいますが正直言って驚きで、すごく難しいと思うのです。

銀行の提示しているプライスに準じて提供可能なプライスを提示する。そしてその値段で約定する。それが当社とお客様とのコミットメントだと考えております。

OTC(相対取引店頭取引)の魅力

提示価格と約定価格の差は昨今良く耳にしますが、マネパさんなら安心ですね。話は変わりますが、いよいよ大証FXがスタートしました。取引所FXとOTC(相対取引店頭取引)のFXという枠組みがありますが、取引所取引に対してOTCFXの長所はどんな点ですか?

まず、取引所取引に関してお話しさせていただきたいのですが、もちろん良いところはたくさんございます。しかし、事実上買い気配、売り気配の価格が1つずつしか出ていないマーケットを取引所取引と定義するのはちょっと考えるところですよね。買い手と売り手が等しく取引を行える場、それが取引所なわけですから、やはり取引所取引でFXを行うのであればオークション方式(気配板制度)しかないと思います。

そもそも外国為替取引はインターバンクから始まっています。インターバンクの市場を個人投資家にも利用できるようにということでFXはスタートしています。インターバンクは相対取引であるわけです。つまり元々外国為替のグローバルスタンダードは相対取引であるとも言えるわけです。

相対取引ということですから「一物一価ではなく一物多価である」とも言えばよいのでしょうか。例えば、弊社の価格以外に他社様が提示しているレートもあるわけです。そこではもちろん裁定取引もできます。A社とB社との価格を比べて取引をすることができる。取引価格や条件を勘案しながら取引したい相手と取引する。これは相対取引の大きなメリットです。

相対取引なので、 商品スペックにしても各業者が切磋琢磨しながらお客様に良かれというものを柔軟に提供することができます。商品性の面でも取引所取引に比べてより魅力的なものとなるわけです。もちろんある程度のルールの中でということですが、商品の柔軟な設計ができるのは非常に大きなメリットだと思います。

追証拠金制度というのは取引証拠金不足により、追加の証拠金が必要となる制度です。しかし為替レートは24時間変動しているため、追証拠金を入金するまでの間に大きな損失が発生することがあります。これでは個人投資家にとっても、業者にとっても良くない状態となります。そこで、何とかしなければならないというFX業者の自助努力の中、生まれたものがロスカットルールなのです。当社のようにはじめからロスカットルールを採用している会社もあり、お客様へのサービスを考えていくなかで相対取引ならでは実現してきたことといえます。

もし、取引所取引であれば、取引所とお客様との間に存在する業者が勝手に決済でもしたら一任売買や無断売買になりかねない法令違反となってしまうわけです。損失の拡大を未然に防ぐロスカットルール。これは素晴らしいセーフティーネットです。相対取引だからこそ、お客様との御約束が成立し、この制度が可能となるわけです。

OTC(相対店頭取引)であればこその魅力ってたくさんありますね。では為替取引自体ににはどのような魅力を感じますか?

それは24時間取引であるということです。投資というと一般的には株式投資のことを連想される方が多いですが、例えば株取引の場合、通常の取引時間は9:00~15:00の間ということになります。しかしこの時間帯は大抵の皆さんはお仕事されていますよね。この時間帯に取引していると・・「お前何やってんだ?」ということになってしましますよね。仕事時間中にトイレに駆け込んで取引するビジネスマンの方も結構いるようには聞きますが・・・(笑)。

では、為替はどうかと言いますと。為替は東京市場、ロンドン市場、ニューヨーク市場とありますが、動きがあるのはロンドン市場、ニューヨーク市場のタイムとなります。これって日本人にとって、特にビジネスマンにとってはいわゆるアフター5の時間帯なのです。もちろんアフター5にロンドン市場、ニューヨーク市場で海外株式株を売買するということもできますが、実際に海外の取引所の株式を売買するというのは一般の方には抵抗がありますよね。ルールも熟知していないとなかなか投資しづらい環境です。

結局、日本のビジネスマンが自宅に帰ってから取引をするには、やはり為替取引(FX)ということになるわけです。流動性もあり、活気もある。日本から投資をする日本のビジネスマンにとってはアフター5から深夜にかけての時間帯がロンドン・ニューヨークといった為替市場が活況な時間帯であるという優位性があるので、投資商品として外国為替取引は非常に魅力的なわけです。

業界の今後

FX業界が今後さらに飛躍をするにあたって必要なことはなんですか?

もっと一般の方に受け入れられる環境を作り出すことがこの業界にとって大切なことだと思もいます。「賭博」「過当投機」と捉えられるのは本当に残念です。レバレッジ100倍といっても、目一杯の取引をされている方はごく一部の方であって、皆が皆、高いレバレッジで運用しているわけではないのです。商品性に柔軟さは必要なことだと思います。ですから「危険」とか「怖い」というイメージを持たれ続けるのは非常に遺憾ですね。それに詐欺業者や無登録業者などが業界のイメージを悪くしてしまうのはそもそもは絶対に許せないです。

いかにこのマーケットを健全化させ、一般の方に受け入れられる市場にするかが業界発展の大きなポイントだと考えます。ですから、基本的にはこの度、金融庁が出した一連の規制に関しては、一般の方が安心して取引ができる市場環境の構築のためという意味で大変良いよいことだと思います。

私自身まだまだこの業界は伸びていくと確信しております。

例えば、株式と為替が共にレバレッジ1倍という条件のもとで、どのように日本人に受け入れられているのかを考えてみます。株を取引している日本人は1000万人~1500万人いると言われていますが、この場合現物株なのでレバレッジは1倍ということになります。

では為替はどうなのかと言いますと、実は海外旅行などで為替取引(外貨両替)をする日本人は年間約4000万人とまで言われているのです。そしてこの場合のレバレッジもやはり1倍。

一般の方に投資として広く受け入れられている株式投資よりも、外国為替に触れられたことのある方の方が数倍も多いわけです。ですから可能性としては株式市場よりも為替の市場が大きくなる要素は十分あることになります。

「マネパ1000万人のFXトレーニング」というDSのソフトがあるんですが(本年6月発売)この1000万人という人数は外国為替取引を行う方が潜在的にそれくらいはいるだろうと僕らが考えているということです。1000万人の方にこちらのソフトを利用していただける可能性も十分にあるということです(笑)

DSでFXの練習ができるのですね。

このソフトはFXの用語解説からテクニカルの見方といった初心者の方向けの要素も充実していますし、実際の経済シーンに伴う為替相場変動を体験できたり、オンラインで全国のトレーダーとスコアを競うことまでできます。

為替は確かに身近な存在になっていますよね。昔は外貨両替なんて高い手数料支払って銀行でしかできなかった、それが今ではFX業者さんで両替できますからね。しかも圧倒的に手数料が安い。

そうですね。やはり今後は実需の外貨両替の側面からもFXの市場は伸びてくるでしょう。もっと一般の方にもなじみのある商品になっていくのではないでしょうか。

マネーパートナーズの役目

今後、マネーパートナーズ社及び奥山社長が果たす役割は大きいと思いますが、FX業界の発展のために御社として、あるいは奥山社長自身としてどのような貢献をしようと思っていますか?

当社は今年度、金融先物業協会の自主規制委員になっています。業界としての自主規制を育て、行儀のよい業界・市場にしていく責任があると思います。

現在、多くのFX業者さんがいらっしゃいますので意見をまとめたり、共同歩調を図っていくのは大変なことかもしれないですが、やはり業界自らが自主性を持って、お上から言われるままではなく自分たちの自助努力によって業界を育てていかなければいけないと思っています。

ロンドン証券取引所のリクイディティー(流動性)の3割がいまや相対取引で取引と行われていますし、アメリカのNASDAQ取引所も2割から3割が相対取引で占められると言われています。近年、取引所取引の外側に存在する相対取引のマーケットが世界的に見ても着実に大きくなってきているのです。また、電子化、ネットワーク化や情報化のスピード化も格段に進んできています。昔のように取引所という物理的な場所で人間同士が行う取引所取引から、分散ネットワーク型の相対取引の電子化の流れの中で、やはりOTC(相対取引)のマーケットは今後も伸びていくと考えています。

当社はその中で、お客様にOTCデリバティブをもっと身近なものに感じていただけるようなサービスを展開したいと考えています。デリバティブと言ってもREITやサブプライムのような複雑なものではなく、ドル円とか日経平均とかシンプルで分かりやすいものです。

OTCデリバティブ発展のためには最大限の努力をしていきたい。個人投資家のためでもありマーケットを育むためでもあり、これを企業として信念を持って取り組んでいきます。

すばらしいです。

よく、日本人はファイナンシャルスキルが乏しいなどと言われますよね。これは残念なことです。しかし、日本人の中で「株は損するもの」だとか、「投資なんて怖いからやめておけ」などと言った考え方がいまだに持たれていますよね。昔から「読み書きソロバン」と言われますが、「読み書きソロバン」のソロバンって何かというと、本当にソロバンのことを言っているわけではなく「計算ができる」ということであり、もっと言うと「お金の勘定ができる」ということだと思うのです。

資本主義経済の中で生きている日本人にはもっともっと金融スキルを身に付けていただきたいですし、欧米諸国の方々ように資産を賢く運用する術をもっと身に付けていただきたい。

もちろん「働くな」ということではないですよ。働くことは単にお金を稼ぐということ以上に人間として、遣り甲斐として絶対に必要なことですからね。しかし、リスクとリターンを意識しながら自分の財産を管理していくことはも絶対に必要なことだと思いますし、日本人のファイナンシャルスキルをアップさせることは結果として国益に適う絡むことにもなります。そういう目的を持って、世のために、人のために、日本人のために啓蒙していきたいと考えています。

マネパさんがいる限り業界の今後が楽しみです。ところでFXはネットビジネスのひとつだと思いますが、ウェブをどのように利用していこうとお考えですか?

IT化が進むと世の中便利になりますが「人間味」が無くなるというか、何か「思いやりや「ぬくもり」の部分がなくなってしまいますよね。なので、忘れてはいけないのは、ビジネスである以上「お客様のことを見ようとしなければいけない」ということです。そうでないといくら便利な世の中になって、IT化の恩恵を享受できたとしてもビジネスとしては成功できないと思います。お客様に対して無機質な対応を取るとあっという間にお客様はいなくなると思います。IT化は便利な反面、とっても怖い部分を持っているのです。IT化により世の中が便利になればなるほどデリケートにお客様のことを考えていかなければいけないのだと思います。ネットビジネスとはそういうものであり、ネットがあるからこそ。なおさらコミュニケーションや人を意識したビジネスにしなければいけないと、考えています。

御社のFX取引について

御社のセールスポイントと今後のビジョンについて教えていただけますか。

顧客第一主義を貫いている会社ということがセールスポイントですね。IRの場所でもどんな場であっても「投資家と共に!」というフレーズを必ず付けています。お客様のことをどれだけ想えるか・・こう考えられる会社であるということが当社の一番のセールスポイントですね。

チャートやトレード画面にもこだわっています。細かいことですけど、「ボタンを数ミリ右にずらしたほうが取引しやすそう」とか「この配色の方が疲れない」とか。XFXというトレードアプリケーションでは数字のフォントにまでこだわってそれだけで何十時間も費やしたりしましたね(笑)

そんな無数の細かなこだわりの積み重ねで、「なんだかよく分からないけどマネパは使いやすいよね」とか「マネパでやると結構上手くいくよね」とお客様に言ってもらえる、当社はそんな会社なんです。これからも、もっともっと本当にお客様のことを考えてサービスを展開できる企業にしていきたいです。

利益ばかりを求めていては、継続的な成長はないと思います。

お客様に喜んでもらうサービスが出来れば、自分たちも喜べるし、利益も出る。そしてその結果、株主様も喜べる。まずはお客様である投資家の人たちに受け入れられることが大切であり、それが会社の利益となると考えてます。

お陰様で当社では現在約10万人のお客様を受け入れさせていただいています。業界の中でもトップクラスに評価されているのも「お客様第一主義」の理念を貫いてきたことによる結果だと考えております。

今後はもっともっと普通に日常のインフラとして当社を使っていただけるような会社にしたいですね。万人に利用していただける会社です。普段の生活と切っても切り離せない会社。普通の方に普通に受け入れられる会社。そして世のため人のため、貢献できる企業にしたいと考えております。

ありがとうございました。

編集後記

マネーパートナーズさんは業界の雄となる会社であるとつくづく感じました。奥山社長はじめ、スタッフの方は相場に詳しく、システムに関しても深い造詣をお持ちのスペシャリストです。だからこそ、強靭なシステムが評判を呼び、使い勝手の良いツールが人気を呼んでいます。

なお且つ、お客様のことを本気で大切にしている会社です。数ミリのボタンの位置にこだわったり、フォント選びに何十時間もかけたり(笑)。でもこれはユーザーにとっては大変嬉しいこと。

何がスゴイかって、マネーパートナーズさんの宣伝・広告ってあまり見ないですよね。それでも10万人以上のお客様がマネーパートナーズさんを利用しているのです。やはり良いものは良いのです。真にお客様第一主義を貫く会社だからこそ、お客様が集まるのですね。

これからも奥山社長はじめ株式会社マネーパートナーズさんには大いに期待しています!

2009年8月

マネーパートナーズ 奥山 泰全

株式会社マネーパートナーズ
代表取締役社長
奥山 泰全(おくやま・たいぜん)

1971年三重県生まれ。
94年慶応義塾大学商学部卒業。
同年澤会計事務所入所。
99年シムビジネスコンサルティング監査役就任。
01年イ・システム株式会社(現プライベート証券株式会社)取締役
03年トレイダーズ証券株式会社取締役
06年株式会社マネーパートナーズ代表取締役社長(現任)