政策金利とスワップについて

スワップは2国間の政策金利の差で決まると思っているのですが、
去年のリーマンショック以降の混乱で、一時期ドル円のスワップがロングでプラス、ショートでマイナスになってたことがありました。
そのときでも政策金利は日本よりもアメリカの方が高かったのですが、どうしてそんなことが起きたのでしょうか?

たけっち2009-08-22 19:08

スワップポイントに付きましては各社独自のものでございますので、
一般的なそのときの状況などをお応えさせていただきます。

スワップポイントに付きましては以下のような超短期金融市場の金利の
差額を元に変動しているといっても差し支えないと思います。

日本の金利であれば「無担保コール翌日物」
米国の金利であれば「FF(フェデラルファンド)レート」

(短期金融市場では金融機関が短期的な資金の貸し借りを行なって
 おり、その際の金利が上記の金利となります。)

これらの短期金融市場では、日銀やFRBといった中央銀行が
資金を出し入れして、需給を調整しその目標である政策金利
に近くなるように誘導しています。

しかし、リーマンショックの際、米国において値下がりを続ける
金融商品の支払のため米国の金融機関では大量のドルが必要と
なりました。

そのため、FRBによる需給調節が追いつかず。ドルの需要が大きく
なった影響は、ドルの短期金利の上昇という結果につながりました。

他にも、リーマンショックによる影響で、関係する金融機関の信用が
著しく低下し、安い金利でドルを貸すのはリスクが高いということで
ドルの短期金利が上昇したという側面も有ります。

このようにドルの短期金利が上昇したため、その差額である
スワップポイントも極端に変動ずる結果となりました。

以上簡単ではございますが、回答とさせていただきます。

豊商事【e-kawase】

2009-08-26 12:12

スワップポイントは2国間の金利差によって決定されますが、それは政策金利ではなく短期金利を元に計算されています。例えばドル円の買いポジションの場合は、ドルのO/N(FFレート)と円のO/N(無担保コール翌日物)とを比較して計算されます。

短期金利は主に無担保で資金調達が行われる短期金融市場で形成され、各国の中央銀行は政策金利としてこの短期金利の水準を誘導しています。このため平常時には「短期金利≒政策金利」の関係が成立します。日本の場合だと「無担保コール翌日物≒短期金利≒政策金利」となっており、供給量を限定したほぼ固定相場的な性格を持っていることから、これが大幅に変動することはほとんどありません。このため需要が急増した場合には、日銀の管理下を離れた為替スワップのレートや債券の現先市場などに反映されていくことになります。

名目的な「政策金利の差」とかけ離れた水準にスワップが飛んでしまうという現象が発生するのは、こうした状況が原因となります。過去にも何度も起こったこと現象ですが、典型的なパターンとしては日本企業のほとんどが期末を迎える3月末や、欧米企業が期末を迎える12月末の短期金融市場における短期金利の高騰および時としておこる乱高下などが挙げられます。

これに状況次第で当局の需給調節(介入)という安定の流れが加わり、これがスワップに逐一反映されることになります。このため一日の中でどの時点でスワップレートを決定するかによって、業者間の格差もかなり出ることが避けられない状況となります。

リーマンブラザーズ破綻をキッカケにした金融不安が台頭した昨秋の例では、
10月の段階で年越しのドル資金不足を懸念したことでドル需要が増大し、ドルの短期金利が急騰しました。このため対ユーロ・対ポンドでまず金利差が逆転し、ユーロドルやポンドドルのスワップポイントが一夜にして「プラス→マイナス」、「マイナス→プラス」へと変動しました。しかしその後に各国中央銀行が協調した大量のドル資金供給が行ったことで短期金融市場にドル資金がだぶつき、ドルを買う動きが急速に巻き戻されることとなりました。こうして本来あるべき金利差とかけ離れた需給関係を反映する形で、ドルの短期金利が今度は一時的に急落し、ドル円のスワップポイントが逆転するという事態に発展しました。

このように平常時には「(金利の)裁定取引」の論理から金利差を素直に反映するスワップポイントですが、非常事態時には「いくらでも払うからドル資金を調達したい」といった需給の論理で変動するようになり、急騰あるいは逆転現象を含めた乱高下をもたらすことがあります。覚えておきたいところです。

マネーパートナーズ武市 佳史

2009-08-26 15:36

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